糖尿病とは、膵臓で作られる血糖を下げる働きを持つインスリンというホルモンが不足したり、働きが悪くなることで、血液中のブドウ糖が細胞にうまく取り込まれず、ブドウ糖の濃度が高くなった(=高血糖)状態が続く病気です。
糖尿病は発症時には自覚症状はほとんどありません。
日本人の40歳以上の3人に1人が「糖尿病」又は「糖尿病予備軍」と言われております。
糖尿病の診断基準は、空腹時血糖が126mg/dlを超えたり、300kcal相当のブドウ糖液を飲んだ2時間後に血糖値が200mg/dlを超えたりしたときに糖尿病と診断されます。
糖尿病の三大合併症には、 糖尿病神経障害と糖尿病網膜症、糖尿病腎症 があります。
一旦症状が出てしまうと、なかなか後戻りができません。また初期には自覚できる症状がないため、定期的な検査が必要です。
- 糖尿病神経障害
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糖尿病の合併症の中で最も早く出てくるのが糖尿病神経障害です。
中心となる足や手の末梢神経障害の症状の出かたはさまざまで、手足のしびれ、怪我や火傷の痛みに気づかないなどです。
そのほか筋肉の萎縮、筋力の低下や胃腸の不調、立ちくらみ、発汗異常、インポテンツなど、さまざまな自律神経障害の症状も現れることが特徴です。 - 糖尿病網膜症
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眼底にある網膜という部分の血管が悪くなり、視力が弱まります。最悪の場合には失明に至る怖い病気です。
- 糖尿病腎症
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尿を作る腎臓の、糸球体という部分の毛細血管が悪くなり、だんだんにおしっこが作れなくなります。
すると人工透析といって、機械で血液の不要な成分をろ過して、機械でおしっこを作らなければなりません。
週に2~3回、病院などで透析を受けるようになるので、日常生活の質(QOL)に大きな影響を及ぼします。しかもこれらの合併症は何の自覚症状もなく、少し血糖値が高い「糖尿病予備軍」と呼ばれる初期段階からひそかに進行します。
そのため糖尿病と診断されたら少しでも早く治療を開始し、食事療法・運動療法を含めた治療を継続することが大切です。
糖尿病の治療は食事療法と運動療法が基本になっています。
初期の段階であれば、食事を減らしたり、運動を少し増やしたりするだけで血糖が改善することも少なくありません。
充分な食事療法や運動療法を行っても、血糖値がコントロールできない場合、薬物療法を併用します。
- 食事療法
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糖尿病の食事療法は、食べてはいけない食品があるわけではありませんが、適正なエネルギー量をバランスよく摂取することが重要になります。
また、外食や間食、アルコール摂取時などは1日に摂取するエネルギー量が過剰になりがちですので注意が必要です。 - 運動療法
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食事療法とともに、糖尿病治療において基本となる治療法です。
運動によって、ブドウ糖や脂肪酸の体内での利用が促進されて血糖値を低下させたり、インスリン抵抗性を改善したりすることが知られています。ただし、合併症がある場合や薬剤で治療している場合は運動が制限されることもありますので、運動の種類や強さ、時間、回数などは医師の指導の下、適正に行うことが重要です。
- 薬物療法
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糖尿病の薬物療法には、経口血糖降下薬とインスリン注射があります。
1型糖尿病ではインスリン注射が不可欠ですが、2型糖尿病では食事療法や 運動療法を行っても血糖値が高い状態が改善されない場合は、まずは経口血糖降下薬を服用します。
それでも血糖値が改善されない場合は、経口血糖降下薬の増量や2剤以上の併用、さらにはインスリン注射の併用をおこなっていきます。