血液中の脂質、つまりコレステロールや中性脂肪が多くなる病気です。コレステロールは、身体に必要な成分ですが、必要以上に増えすぎると血管や組織を傷つけ、動脈の壁にくっついて血管を硬く狭くして血管の動脈硬化が少しずつ進んでいき、心筋梗塞や脳卒中などの重篤な病気を引き起こす原因となってしまいます。
高脂血症の主な原因は食べ過ぎや偏食、喫煙、飲酒、運動不足、肥満やストレスなどが考えられます。自覚症状はほとんどないため、健康診断などで初めて気づくことも少なくありません。
高脂血症は動脈硬化を進め、心筋梗塞、脳梗塞の危険性を高める病気です。
また、日本人の認知症は、脳梗塞などの脳の血管の病気によって起こるものが大きな割合を占めています。
また、トリグリセライド(中性脂肪)が極端に高いと、急性すい炎を起こすリスクが高まります。
- 心筋梗塞・脳梗塞など
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動脈硬化は、血液の中で過剰になったLDLコレステロールが血管の壁の中に取り込まれ、それが蓄積することによって起こります。このため脂質異常症の患者さんでは、動脈硬化が起こりやすく、またその進行も早くなります。その結果、心筋梗塞や脳梗塞などの命に関わる合併症が引き起こされる可能性があります。
- 閉塞性動脈硬化症
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足の血管の動脈硬化が進み、血流が悪くなってしびれや痛みが現れる病気です。歩行中に痛みが起こり、立ち止まると痛みが和らぐ「間欠性跛行(かんけつせいはこう)」がみられることがあります。
- 急性すい炎
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すい臓は、脂肪を分解する消化酵素を分泌していますが、血液中のトリグリセライド(中性脂肪)値が極端に高くなると、すい臓がこの消化酵素を大量に分泌し、それがすい臓自身を消化してしまうことがあります。この結果、激しい痛みを伴った急性すい炎が起こります。重症の場合には、命に危険が及ぶこともあります。
高脂血症は食事や運動などの生活習慣が深く関係しています。そのため、高脂血症の治療の基本は食事療法と運動療法であり、この2つの治療法は長く続けていく必要があります。食事療法と運動療法で脂質が改善しない時や、すでに動脈硬化による心筋梗塞、脳梗塞などの発作を起こしている場合などは薬物療法が行われます。
- 食事療法
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コレステロールを多く含む食品を減らす、食物線維を多く含む野菜などを積極的にとる、トリグリセライド(中性脂肪)の高い人は糖質やアルコールを控える、肥満を解消・予防するために、摂取カロリーのコントロールなどを行います。
- 運動療法
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適度な強さのウォーキングなどの有酸素運動を続けると、トリグリセライド(中性脂肪)を減らし、HDLコレステロールを増やす効果があることが分かっています。また、運動は肥満の予防や解消に役立ちます。
- 薬物療法
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高脂血症の薬には、主にLDLコレステロールを下げる薬や、トリグリセライド(中性脂肪)を下げる薬があり、患者さんそれぞれに適した薬を処方します。薬を2~3ヵ月服用しても、脂質管理目標値まで下がらない場合には、薬の変更や増量が検討され、数種類の薬を併用して服用することもあります。